医学進学ドラマ「Smile〜君を待っている人がいる〜撮影ウラ話

猛暑の中のロケ。時には過酷に、時には楽しく、スタッフ一同一丸となって頑張って撮影しました。ここでは、テレビカメラの外の視点から写した撮影の裏側をご紹介します。

病室での撮影前。大量の撮影機材が入り、照明の角度やカメラの位置を設定し、こまめに修正を加えて撮影を繰り返します。
機材設置の間は、メイクさんやスタイリストさんも、役者さんも大忙しです。

カメラリハーサルの風景から、すでにいい表情が…。進行もスムーズに進みます。

 

時にはスタッフもエキストラとして出演命令が…!?普段はカメラの後ろに配置しているのに、急にカメラの向けられる位置に出ることになり、思わず緊張してしまう一瞬です。

各撮影シーンごとに、よりリアリティのある演技を追求するため、担当の先生から細かい演技指導が入ります。役者さん側も「こういう場合はどうしたらよいですか?」と納得のいくまで質問の嵐。お互いプロの目つきになった真剣な表情になる一瞬です。

 

実習生役は熊本保健科学大学の学生の島津さん(中央)。収録当初はさすがに緊張の表情でしたが、テレビ・ラジオで幅広く活躍するベテランの松崎ひろゆきさん(左)と若手お笑い芸人のそりさん(右)の間に入ってしまえば、思わずこの表情。

助産師のシーンは、福田病院さんにご協力いただいての撮影となりました。新生児室にはたくさんの赤ちゃんがいて、その可愛さにスタッフも思わずにんまり。赤ちゃんをびっくりさせないようにスタンバイして慎重に撮影に臨みました。

 
撮影中に起こったこんな事… 

「ICUコール」

撮影中に、こんなことがありました。

熊本機能病院さんでの臨床検査技師の撮影で、心電図を計る機械をお借りして、先生から使用方法などを聞き演技指導を行っている時のこと、突如「ICUコール、ICUコール」との院内放送が流れました。
「マズい!ちょっと機械借りますね」と柔和な表情だった先生の顔が一変して緊張の表情に。そして取材に使用していた心電図の機械を持って、救急センターへ急いで向かって行かれました。
ふと、廊下に出て見ると、緊迫した表情で、病院の医療業務に就かれている多くの方が、同じように逼迫した、緊張した表情で足早に救急センターへと向かって行かれます。その数100人以上!?

病院スタッフの方にお聞きしてみると、患者さんが緊急を要する状態になったとき、一斉に病院スタッフを招集するために院内放送で「ICUコール」がコールされ、担当の病院スタッフは速やかに当該部署に集合するように決められているそうです。
幸い、この時はたいしたことがなかったのか、数分後にはまた元の職場に戻っていかれてました(しかし、戻ってくる人と交差して、駆けつける方が続きます)。そして心電図を持っていった先生も、ほかの皆さんと同様、穏やかなリラックスした表情に戻っておられました。
病院とは、人の命をあずかる、人の命を守るために戦っている、そんなプロの仕事の場所。「いのち」のためのプロフェッショナルの集団であると、改めて感じました。

 

セッティングを待つ間、主人公弘子役の佐藤さんと助産師役の横山さんも、ついつい赤ちゃんに見とれてしまい、目尻が下がりっぱなしでした。

熊本で活躍中のバタコfromバタ★ーコーンEXの「神様は待っている」をエンディング曲として使用。その演奏シーンを熊本保健科学大学のキャンパス内で行いました。当初は晴れていた空が、収録を続ける内にいつの間にか雨模様に…。楽器が濡れないか心配しながらの撮影になりました。

 

なんとか雨は上がってひと安心。でも今度は雲にかかった太陽が出てくるのを待たなければいけません。次の収録の時間もあるので、こういう時間は、スタッフも気が気ではありません。この日はものすごい猛暑。太陽が出たら出たで、今度は吹き出る汗との勝負です。メイクさんも大忙し。

事情を知らない通りすがりの学生さんも思わず立ち止まり「あれ何?」
お騒がせしましたm(_ _)m

 

先輩「あれ?何か変だぞぅ……」

入院した先輩役の小松野さんと助産師役の横山さん。ドラマ内での接点はありませんが、収録の合間ではこんなに仲良しでした。

 
撮影中に起こったこんな事…

「感動のシーン」

収録のスケジュールもすべて終了。しかし、もう一つ撮らなければならない大切なシーンがありました。

それは助産師の最も大事な仕事「出産」についてのシーン。こればかりは役者にまかせて撮影できるものではありません。どうしようか…と福田病院の福嶋看護部長にご相談したところ、出産間近だった志垣さんご一家に打診していただき、撮影にご協力いただけるとご快諾を得ることができました。

何日かの待機の後、奥様の陣痛が始まり、撮影のセッティングが始まります。分娩中の真剣な奥様や励ますご主人に邪魔にならないよう、スタッフは最小人員の2名で迅速かつ、静かで冷静な準備にかかります。

無事、元気でカワイイ赤ちゃんが生まれ、スタッフも一安心。こんなに緊張して撮影したのも久しぶりとのこと。機材を撤収し、待合室でご主人の志垣さんにお礼をいい、ご主人の喜びの言葉を聞き、その感動のシーンを思い出してプロデューサーも思わずほろり…。人の命の誕生という崇高なシーンを撮影させていただき、そして助産師という仕事の大切さを感じた時間でもありました。

 

監督から指示を受ける看護師役の宗真樹子さん。主人公の弘子役の佐藤さんとのほんのわずかなシーンの間に、微妙に変わっていく表情の変化に、ベテランの風格を感じました。
でもナースステーションでの撮影中、宗さんを本物の看護師さんと勘違いした方からの問い合わせに、宗さんも思わず慌てるひと幕も。

収録の最後は、八景水谷公園での先輩と弘子の2ショット。エンディングの重要なシーンです。すでに16時を過ぎているのに、ものすごい暑さ。メイクさんも自分の汗を拭くまもなく、シーンの合間には大忙し。スタッフ全員汗だくです。

 

照りつける太陽。降り注ぐ紫外線。撮影待ちの間はスタッフが役者さんを日傘で完全防備してメイク崩れがないかをチェック。あまりの暑さにスタッフさんも冷えピタ貼って完全防備です。

季節の設定は秋。真夏に冬服の設定ですから、主役の佐藤さんも小松野さんも、ものすごく大変だったと思いますが、素敵な笑顔で周囲のスタッフを和やかな雰囲気にしてくれました。

 

クランクアップ!プロデューサーから渡された花束に思わず笑顔の二人。

ロケ中、ずっと役者さんに帯同した裏方の女性陣スタッフといっしょに。みんな大役を果たしてホッとひと息。いい笑顔です。お疲れ様でした。